(2025/03/07追記)
ベンチマークが一部適切ではない設定で行われていたため、適切な計測条件での結果に更新しました。
2世代前のハイスペックで『モンハンワイルズ』は快適に動作するか?
布団でゴロゴロしながらゲームを遊びたいと思い、サブPCを組みました。寝床に置くのでもちろん小型ケースでのビルド。
遊ぶゲームのターゲットは超重量級ゲーム『モンスターハンターワイルズ』。グラフィック要求が非常に高いタイトルです。
予算を抑えるために今回は中古パーツを使用。2世代前のアッパーミドルクラスのスペックです。目標はフルHD・画質ウルトラ設定での快適プレイ。やや古いPC・パーツ構成でもワイルズを快適に遊ぶことはできるでしょうか。
スペック
- CPU:Ryzen 7 5700X
- GPU:Radeon RX 6800
- メモリ:DDR4-3200 32GB
- 電源:750W
- CPUクーラー:DeepCool AK400
- マザーボード:ASRock B550M-ITX/ac
- ケース:DeepCool CH160 MESH
パーツ選定にあたって最初に考えたのはグラボ。ワイルズが要求するグラフィック性能の中でも特に重いのがVRAM容量で、高画質のプリセットでは多くのミドルレンジGPUが備える8GBのVRAMでは足りないと言われています。そのため、最低でも12GB、できれば16GBのVRAMを搭載したアッパーミドル帯のGPUから選定し、結果的に中古で状態の良かったRadeon RX 6800を購入。RX 9000シリーズの発売を控え、まもなく2世代前のGPUとなるRX 6000シリーズですが、果たしてどこまで戦えるでしょうか。
CPUはせっかくRadeonを選んだことなのでAMDで揃え、Ryzen 7 5700Xをチョイス。こちらも2世代前、Zen3のCPUです。RX 6800に対して若干性能不足のように思われるので、安く買えるならRyzen 7 5800X3Dも候補でした。残念ながら安くなかったのでこちらに。
CPUクーラーは家に転がっていたDeepCool AK400を流用。エントリークラスの空冷クーラーの定番です。エントリー向けとは言え、5700Xクラスなら余裕で冷やせる程度の冷却性能があります。後述しますが、PBOでオーバークロックしても冷却が間に合ったので、安くてよく冷える良いクーラーだと思います。
ケースはMini-ITXケースの中でもエアフローに定評のあるDeepCool CH160 MESH。こちらもたまたま家にあったので流用。寝床に置く以上、冷却不足でクーラーに唸られては困ります。良好なエアフローでケース内の冷却も抜かりなく行います。
メモリ、電源、マザボに関しては特に説明することなし。家にあったor安かったものから適当に組み合わせています。
下準備:PBOを有効化
今回CPU性能に若干の不安があったことと、中古パーツでどのみち保証がなく遠慮する必要がないことから、オーバークロックで性能を引き上げることにしました。
Ryzenの自動オーバークロック機能「PBO(Precision Boost Overdrive)」を用いて、簡易的ではありますがOCを有効化。
- PBO Limits:Motherboard
- CPU Boost Clock Override:Enabled(Positive)
- Max CPU Boost Clock Override(+):200
設定内容は上記の通り。詳細は省きますがすごくざっくり説明すると「マザーボードが許容する範囲でブーストクロックを定格から+200MHz盛っていいよ」的な設定です。
ワイルズベンチマークを回してみる
それでは早速ワイルズのベンチマークを回していきます。公式から提供されているベンチマークソフトを使用。
画質プリセット毎のベンチマーク結果
まずはグラフィックプリセット「ウルトラ」「高」「中」をそれぞれ見ていきます。
※RX 6800を選んでおいて画質「低」「最低」で遊ぶ人はあまりいないでしょうから、今回は中設定までの確認とします
フレーム生成は有効化。レイトレーシングはOFF設定。

ウルトラ設定で平均FPSは124.01。2世代前とはいえ、FHD解像度でアッパーミドル帯のグラボがフレーム生成込みでこの程度のフレームレートしか出せないとは……噂に違わぬ超重量級タイトルです。
そして画質プリセットを下げても思いのほかFPSが上がっていません。これはCPUボトルネックが発生しておりGPUの使用率が上がりきっていないためです。プリセット「高」「中」ではCPU使用率が頻繁に100%に到達しています。
グラフィック面が取り沙汰されることの多いモンハンワイルズですが、CPUの負荷も激烈に高いことがわかります。
レイトレーシングもチェック
次にレイトレーシングの有無によるフレームレートの変化を見てみます。
グラフィックプリセット「ウルトラ」、フレーム生成有効の状態でレイトレーシングを「高」に設定。

およそ8%のスコア低下となりました。大台の20000点を割っていますが、思いのほか下がらなかった、というのが正直な感想。
RadeonはGeForceに比べてレイトレーシング性能で劣ることが知られていますが、この結果だけを見れば、ワイルズのレイトレーシング負荷自体はそれほど高くないものと思われます(もし重ければもっと派手にスコアが下がるはずです)。少なくとも、画質を優先する場合にレイトレONにすることを検討できる程度の差しか出ていません。
もちろん、お使いのグラボがレイトレーシング性能に優れるGeForce RTXシリーズなら影響はさらに小さくなるでしょう。
Radeonの奥の手:AFMF2を有効化する
ここまでのベンチマークで、Radeon RX 6800+Ryzen 7 5700X+ウルトラ設定だと110~120FPS前後が限界ということが分かってきましたが、筆者が使用しているモニターのリフレッシュレートは144Hz。もう少しだけフレームレートが出てほしい……。
ということでRadeon限定の秘密兵器を使います。AFMF2の有効化です。

AFMF2はRadeon RX 6000シリーズ以降で使用できるドライバーベースのフレーム生成機能です。通常、フレーム生成というのはゲーム側が対応していないと使えない機能ですが、これはドライバー側でフレーム生成するのでほぼ全てのゲームタイトルで適用できるという代物です。効果はシンプルで、有効化するとフレームレートが2倍になります。汎用性が高い上に効果も強力。
さらに、AFMF2のフレーム生成はFSR3のフレーム生成と併用可能です。単純計算で元のフレームレートの4倍。描画品質や演算能力でGeForceシリーズに遅れを取るRadeonですが、実はフレームレートをゴリゴリ出すという目的であればRadeonにも優位性があったりします。
今回の例で言うとモニターのリフレッシュレートが144Hzなので、ゲーム側でフレーム生成込みで72FPS出ていれば、AFMF2適用で144FPSでのゲーミングを実現可能です。とはいえもちろん欠点もあり、
- 元々のフレームレートが低すぎると、フレーム生成描画に違和感が出る(残像感が出るなど)
- 入力遅延が増大する
前者に関しては、今回のように「そこそこのFPSは出るけどもうちょっと……」という状況ではほぼ問題にならず、違和感のないフレーム生成が行われます。入力遅延が増大するという欠点はどうにもなりませんが、フレームレートを最重視する場合は検討する価値があるでしょう。

結論
2世代前のパーツでも、上位構成であれば設定次第でモンハンワイルズを高画質で快適に遊べそうです。
CPUで言えばインテルの12世代Core iシリーズやAMDのRyzen 5000シリーズ、GPUで言えばNvidiaのGeForce RTX 3000シリーズやAMDのRadeon RX 6000シリーズ辺りが該当します。
また、VRAM容量の大きさという観点で見ると総じてRadeonが優位でした。今回採用したRX 6800のVRAMが16GBなのに対し、RTX 3080は10GB。3080Tiですら12GBです。大型タイトルが要求するVRAM容量は年々増加しているため、これから型落ち品で自作PCを組もうと考えている方はRadeonシリーズの採用も検討してみるとよいかもしれません。